トロリーバスに乗ってきました
(1) 日本編 トロリーバスって?

扇沢(関西電力) '01.6.30
 

日本では、立山黒部アルペンルートでしか走っていないトロリーバス。
扇沢−黒部ダム(関西電力)と大観峰−室堂(立山黒部貫光)の2区間で運転されています。

ご存じだと思いますが、トロリーバスとは、エンジンのかわりに、電気モーターを積んで走るバスです。バッテリだと重い上、長く走れないので、電車と同じように架線(電線)を張って、そこから電気を取ってモーターを動かしています。
 上の写真が、アルペンルートにある、関西電力のトロリーバスです。屋根上の物体以外は、バスと同じですよね。
 法律上はバスの仲間ではなく、電車の仲間だそうです。従って、公道を走る場合も、普通のバスと違い、ナンバープレートは掲示しません(昔の写真を見ても、ナンバープレートは無さそう)。また、運転免許も、「大型2種」に加え、「動力車操縦者運転免許」(無軌条電車運転免許)が必要みたいです。(大型2種免許保持者は、全ての学科と実技が免除されるそうですが)
 

大観望(立山黒部貫光) '01.6.30
 
こちらは、「立山黒部貫光」のトロリーバス。トンネルバスからトロリーバスに転換されました。トロリーバスだと、排気ガスを考えなくて良いし、幸い、この地は電気はいっぱいあるし(^^;
関西電力と同じ形の車両です。

 

大観望 '01.6.30
 

 運転方法は、電車ではなく、バスと同じになってます。ただ、エンジンじゃないので、ギアチェンジは要らないようです。また電車のように、ブレーキ時にはモーターを発電機のようにしてブレーキをかけます。(フットブレーキで自動的にかかるみたいです)。※回生ブレーキではないみたいです。
 上の写真では…ハンドルやアクセル(?)とブレーキペダルがバスですが、計器類が電車してます。
 なお、製造は、足回りが自動車メーカー・車体が車両メーカー・電装品が電機メーカーとなっていました。

 乗っていると、バスなのですが、電車と同じ音がします。不思議な乗り物です。

 日本では、専用軌道ばかりで、鉄道扱いで運転されているので、中間にある「信号所」では、タブレット交換をしています。
1便あたり2〜8台が続行運転するのですが、始発から信号所までは最後尾の車両の運転士がタブレットを持ち、信号所で先頭の車両の運転士にタブレットを渡す仕組みになっています。

 

扇沢 '01.6.30
 

架線を見てみると、電車と違い、架線が2本張られています。これは、+と−の電気を供給するためなのですが、では逆に、電車はなぜ架線が1本なのか…。それは、電車の場合は架線が+、線路が−になっているのです。電車は鉄の車輪なので、車輪を通して電気を供給できるのですね。トロリーバスの場合は、ゴムのタイヤですから+と−の電気を、架線から供給してやらねばならないわけです。(ゴムタイヤの札幌市営地下鉄や ゆりかもめのような「新交通システム」、それにモノレール車両も、2本以上の「架線」があるはずです。床下ですけど)

架線からは、「トロリーポール」で電気を取ります。屋根から伸びた2本の棒が「トロリーポール」です。
このトロリーポール、昔は電車でも使われていました。構造が単純なのですが、高速では外れやすく、進行方向により向きを変えねばならない、という問題点があるため、電車ではほとんど使われなくなりました。
しかし、トロリーバスの場合は、+と−の2本の架線が必要なため、、全世界的に、トロリーポールが使用されています。ま、トロリーバスの場合は、あまり速くないですし、電車と違って進行方向は一定ですし…。


 

広州 '07.5.5
 

他にも、トロリーポールならではの利点があります。それは、「架線に向けて、ポールの方向を左右に変えることができる」ことです。一般の電車に使われているパンタグラフよりも、左右の自由度が高いのです。上の写真では、自転車のおじさんを追い抜いています。このように、バスが多少左右に移動しても、トロリーポールの台座を回転させ、ポールの位置を変えることで、ポールを常に架線に接触させることができるのです。
中国・広州のトロリーバスの場合は、概ね1車線分、架線から離れても問題ないようです。これなら、架線の下の車線にタクシーや他のバスが止まっていても追い越せますね。(ただし、トロリーバスがトロリーバスを追い越すことはできませんけど)
 

 
実は、ココのサイトの方が詳しくて、判りやすかったりして(^^;
黒部ダムオフィシャルサイト 電気で走る日本唯一のトロリーバス
 
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