トロリーバスに乗ってきました
(3)中国・広州編 分岐はどうなっているのだろう?

※写真は特記以外、'07.5.5撮影


 
 中国の広州に行くと、市内にトロリーバスの路線がいくつかあります。中国ではトロリーバスは「電車」と呼ばれます。ちなみに「汽車」は自動車、「火車」は列車、いわゆる汽車ですね。※日本の字で書いてます。
 昔は、日本でも、トロリーバスは市内交通に使われていたのですよね…。トロリーバスはバスに比べると排出する大気汚染物質が少ないので、日本でも復活してほしいものです。

 広州で「電車」に乗っていて気が付きました。

「分岐は、どうなっているのだろう」

(日本でいう)路面電車の場合は、あくまでも線路の上を走り、線路を切り変えることで分岐をさせています。トロリーバスは、バスのように運転手さんがハンドルを切ることで曲がることは出来ます。しかし…

では、架線の分岐はどうなっているのだろう? 

もしかしたら、路面電車みたいに、トロリーバス専用の「信号」があるのか? 
※路面電車の場合は、一定間隔でポイントが切り替わり、そのタイミングに合わせて電車を進め、行きたい方向へ電車を進める…という仕組みのところがあります。
いや、ハンドルとポールが連動していて、ハンドルを切った方向にポールが曲がる?…だとすると、自転車を避けようとハンドルを切ったらポールが外れてしまう…。

とか考えていたのですが、それにしては、たくさんのトロリーバスが普通のバスのように すんなり と走ってるので、これも違うみたい。
 

 
そこで、分岐のあるところでじっくりと見てみることにしました。
上の写真が、架線の分岐している場所です。+と−が接触しないように一部が樹脂でできている他は、架線(電線)が分岐しているだけ。架線には、切り替え機能はありません。では、バスの方で切り替えスイッチがあるのか…。
 

しばらく見ていると、答えは単純でした。
上の写真の2台のバス、手前が直進車、奥が右折車です。

分岐(この場合は交差点を右折)したい場合は、どうするのか…。すなわち、

右折レーンに入っていればいい

のです。
逆に、直進車は左側のレーンに入っている必要があります。
 

 
右折レーンに入っていたトロリーバスのポールは、上の写真の通り、右折側の架線(写真の、左側の架線)に乗っかるのです。

下は、右折側に引っ張られた直後のトロリーポールのアップです。バスのトロリーポールには、常に、車体の真後ろに戻るような力が掛かっていたのです。おそらく、バネの力でしょう。

 

 
 


 トロリーバスが直進レーンを走ると、トロリーポールが常に進行方向左に曲がろうとするので、直進側の架線にポールが来るのです。
なので、右折車と直進車が入り乱れての"続行運転"ができるわけです。路面電車の場合はそうはいきませんね。ま、架線で分岐側に入るときは、速度を落とす必要がありますが…。
 

 
圧巻なのが、上の写真。バスターミナル入口の様子です。この通り、架線だらけです。
ちょっと運転を間違えると、行きたい線と別の架線にポールを載せてしまいそうです。
  

 
(余談)
 バスターミナルには、古いバスを改造した架線保線車が置いてありました。
 

 
【余談2】
広州の「電車公司」には、「電車」と同じ色をしたバスも居ました。トロリーポールがない他は、ほとんど区別がつきませんね。
 

 
【おまけ】すっきりしたところで、お昼ご飯。ああ美味しかった。
 
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