「ビア電」に乗ってきました


 毎年恒例のビール電車、「ビア電」。今年こそ!と思いつつも毎年乗車できず。
 ついに、今年、念願の初乗車を果たしてきましたので、報告させていただきます。

 先に感想を言ってしまうと…
  なかなかスゴいです。期待以上でした。

画像は全て 2013. 8. 3 撮影                
        
 「ビア電」の申し込みは、近江鉄道公式サイトにあるように、「近江鉄道ビア電予約センター」(といっても、電話は近江鉄道さんの鉄道部と同じみたい…)に電話することになります。
 で、その際、名前と人数、オプションを連絡するのですが、それと同時に、「切符の受け取り(購入)をどの駅で行うか?」を伝える必要があります。(当然、無人駅は指定できませんし、有人駅も営業時間内で受け取りを行う必要があります)

 乗車の5日前までに受け取る駅に出向いてお金を支払うと、下のような乗車券を受け取ることができます。
 
 
 
 回数券スタイル(っても地域や世代によっては通じないな(笑))になっていて、一番下がバスの往路券、次がビア電の乗車券、バスの復路券で、一番上が、当日の電車が1日乗り放題の乗車券になります。
 ※電車の1日乗り放題って、土曜・休日でも800円相当だから、私にとってはかなりお徳用でした。
 
 で、当日。この日は土曜で八日市発着の設定なので…、彦根から八日市な、「ビア電」な回送が、17:50頃に八日市にやってきました。
 
 
 直接、八日市の2番ホームに入線。
 入線され次第、「ビア電」の受付が、2番ホームで行われます。(下の画像の、電車の右側、係員さんの居られるところに、緑色のポスターを貼った机が設営されてますよね)

 で、受付時に、「ビア電」車内の座席が指示されます。その場になってから好きな座席を選ぶことが出来ないので、あしからず。 その際、乗車券の「ビア電 ご乗車券」のところが回収されます。

 
 
 
 車両はもちろん807F。昨年までは「臨時」の幕でしたが、今年からはこの通り「ビア電(ビール)」の表示で登場です。
 
 
 
 「ビア電」ヘッドマーク+「ビア電」表示。しつこいかもしれませんが(苦笑)、ワタシ的にはテンション上がりまくりです。

 ということで、車内のご紹介。
 
  
 
 807の運転台寄りから車内を見た画像。

 屋根はすだれで装飾されていて、つり革あたりには朝顔が、そしてキリンビールの提灯、と、ビアホール風にきれいに装飾されていて、驚きました。

 ロングシートの前にテーブルが固定されていて、そのテーブルの上に飲み物や食べ物を置いて楽しむスタイルになっています。

 
 807の連結面寄りにはかなり本格的なカウンターが設営されています。

 座席とテーブルの間が狭くて出入りしにくい…のですが、テーブルの間を「KIRIN」のエプロンを着けた「店員さん」が常に巡回しているので、頼めば生ビールでも缶チューハイ(もちろんキリン「氷結」)でもソフトドリンクでも、すぐに持ってきてくれて、特に困ることはありません。(2両で巡回する「店員さん」が3〜4人、カウンターにも2人居ましたので…、セルフサービスの安価なビアホールとは違うのです(笑))

  
 カウンターの画像を。おぉ、生ビールサーバー2台体制!
 
 画像の左端で判りにくくて申し訳ありませんが、カウンターは807の湖側の米原寄りのドアにかかっっていて、ビール等の資材はそのドアから搬入するようになっている、みたいです。なお、そのドアは、運転台からのドアスイッチでは自動で開かないようになっていました。

   
 カウンターを背後からのぞいてみましたが、いろんなもので埋まってます。見た目よりは狭そうです。


 運転台寄りはこんな感じ。車内もすだれがあったりしてますが、こちら側もすだれで夏らしく装飾されております。

 807Fの特徴の、運賃表示機横のコンセントは…、使われてなかったです。
 当初は使っていたのかもしれませんが、ビアカウンターなどがどんどん豪華になっていったので、使う必要がなくなったのではないかと思われます。
 また、いざという時のための「流し台」が準備されています。
 


 1807から連結面寄りを見た画像がこちら。
 
 
 中吊り広告は全て有料で車内販売されているおつまみの案内に、そして、ドア上の広告も、お弁当を提供している「井筒屋」と、オプションの料理を提供している「おかず屋」になっていました。
 
 なお、車内放送は当然無し、ですが、随時、カウンターの「店員さん」が、ワイヤレスマイクで案内放送を入れてくれます。また、トイレ休憩後の出発時も人数を確認してからの出発になっていました。

 テーブルはこんな感じでしっかりと床に固定してありました。
 
 
 で、気になったでしょ(笑)、「近江鉄道のれん」。
 …もし不要になった時があればぜひ売ってください。欲しいです(爆)。

 つり革あたりの装飾も、なかなかきれいですね。
 
 蛍光灯がすだれに遮られて「間接照明」っぽくなり、ほどよい明るさになります。これは素晴らしいですね。


 車内編でおまけ画像を。
 
 整理券発行機ですが、布でくるんでカバーしてある…と思ったのですが、さにあらず。
 発行機は取り外した上で、台座を布でくるんである、と。

 芸が細かいです。


 と、車内観察を終えたところで指定された席へ。

 
 
 指定された席には、料理と、注文したオプション、そして1杯めの生ビールが準備されていました。
 
 座席を自由に選べなかったのは、オプションをあらかじめ準備するため、でもあったわけですね。
 (もちろん、勝手に座席を選ばせると、グループがばらばらになる心配があるから、ということが主目的でしょうけど)

 
 
右:米原駅の駅弁で有名な「井筒屋」さんのお弁当。
   赤こんにゃく、鴨、牛肉と、かなり豪華な内容になっております。
   ※近江八幡出身、京都在住の同行者さんが、赤こんにゃくに強烈に反応されてました(笑)。
   ふつうに買ったら7〜800円以上しそうな内容です。

 これは、「ビア電」の乗客全員に配られます。
 (ってことは、ビールが飲み放題で、この弁当と、当日の1日ふりーきっぷが付いて3000円って、かなりお得じゃないですか!)

左:「おかず屋」さんの、オプション「おつまみセット」
   これで600円。
  ※実は、パンフレットの「飲み放題」と書かれた右(Web版パンフレットでは下)に「お弁当付き」って書かれて
    いることに気付かずに注文してしまいました。はっきり言って、これだけ食べたらお腹いっぱいです(^^;。

で、奥には生ビールが(うひょひょ(^^))。
場所柄、残念ながら紙コップでしたが、ビールは充分に冷えているので、とくに問題ないです。
なお、生ビールを置く場所は、机がくぼんでおり、コップが倒れる心配はありません。



弁当と共に配られたのが「ビア電うちわ」
「ビア電」なのに806F!違うじゃないか!!と持った皆さん、裏を見てくださいませ。
これは京都新聞の協賛が提供するうちわなんだな.
 
  
 ということで、出発進行!

 夕暮れの近江盆地をゆっくりと走ります。 というのも、速度を抑えて運転しているから。50km/hくらいと思われます。
 また、加速や減速も抑え気味で走行していました。
 いつものように走ってしまうと、揺れすぎですからね(^^;。呑むのにはこのくらいが、ちょうどよい揺れかたなのではないか、と感じました。

 細かいところで感心したのが、冷房の調整。
 若干暑いめで、ビールが美味しい温度に調整されていました。もちろん、ラインデリア(送風機)はOFF。


 河辺の森、通過!、五箇荘で下り列車と交換(ドア開かず)、愛知川・豊郷を通過!。
 この区間で駅を通過するのって、久しぶりだなぁ…。

 
 と感慨に浸る暇もなく、あっという間に尼子に到着。ここで約25分の休憩タイム。
 (トイレは特別に開けてあります。いつもは、たしか17:30で閉鎖になるはず)
 
 
 横を高速で新幹線が追い抜いていきますが、そんなのよりこっちの方が快適なのであります!

 と、反対側のホームに高宮行が。
 
 
 貴生川17:39→高宮19:02の列車ですね。
 右側通行で、ビア電を「追い抜いて」行きました。

 尼子で右側通行する列車を見たのも久しぶりですが、近江鉄道で列車の「追い抜き」に遭遇したのは、もっと久しぶりかと。 (2001年頃、団体貸切列車が、日野駅の中線を使って、定期列車に「追い抜き」されていたはずです。)

 そして、「ビア電」も定期列車を追いかけて発車。
パンフレット上では、尼子で折り返すように書かれていますが、この日は(いや、いつもそうだと思うなぁ)、高宮まで行きました。
 
 高宮では1番線に到着。またしてもトイレ休憩。
 
 
 
 で、高宮ではそのまま1番線から出発!。
 高宮の1番線から八日市方面への出発は、定期列車では無いはずなので、実は貴重な体験をすることが出来ました。

 
じつは私たち1807のコンプレッサーの真上に指定されていました。
いやぁAK-3の上で酔っ払うのって、ええ気分やわ〜。

 
 
 「ビア電」、豊郷を通過、愛知川で10分間ほど停車しトイレ休憩。その間に下り列車と交換し、五箇荘、河辺の森を通過し、時刻表通り、20:05に八日市の1番線入線し、終了と相成りました。いやぁ、もっと乗っていたかった。
 車両は、一旦貴生川方に引き上げて2番ホームに入線、20:30頃に彦根に向けて回送で発車していきました。

 なお、車内に残っている「店員さん」の作業は当然続くわけで…、全てのテーブルの食べ残し、飲み残しの処理と清掃など、これから入庫までの間にたくさんの作業が待っているわけで…ご苦労様でした。

 最後に一つ。
 「ビア電」が八日市に到着する前、案内の放送が終わったあと、なぜか自然に拍手が湧き起こったことを追記させてください。 私らだけでなく、みなさん、感動していただいたということでしょうね。
 
  ビール電車と言えば、同じ滋賀県の京阪電車石山坂本線に「ビールde電車」というのをやってるのですが(ちなみにお値段3000円で弁当付、というのも条件的には全く同じ。だけど、弁当の内容は、話を聞いている限りでは近江鉄道(井筒屋)の方が上だと思われ。)、京阪電車が内装までラッピングしたり、丸ポストや赤電話と行った小道具を持ち込んで「昭和レトロな居酒屋風」を追求していることに比べると、近江鉄道の方がお金はかかって無さそうですが(^^;、照明を優しくする「すだれ」とか、座席に座布団があったり、足下がなぜか人工芝とか、DIY的に工夫がしてあって、こっちも負けていないな、と感心しました。
あと、近江鉄道の方が、京阪電車より車両が大きいので、ゆったりしていて良いですね。
(ちなみに京阪電車では、今年から車内の蛍光灯を消して電球(LED?)の照明に変えて運転しています。昨年まで?は「電球色蛍光灯」に交換してあったのだったっけなぁ)
なお、京阪電車の「ビールde電車」、発売日に週末運行分が即完売(発売時刻には電話が繋がらない状態)なので、じつは、ワタシは京阪電車の方にも乗ったことがありません。中の様子は折り返しの時に観察しているのでだいたい判っていますが…。
 
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